11月12日(土)の足立産業センターで開催される独立・起業セミナー(ネットショップ編)で、光栄ながら1時間ほど登壇させていただくことになりました。「経験ゼロから始めたネット通販とその後の軌跡」というタイトルで創業からの実体験をお話しさせていただきます。
オークション代行という特殊なサービスですので、どこまで受講者様のお役に立てるか分かりませんが、とにかくリアルな内容を準備させていただきました!こちらからセミナーでのお話しを確認していただけます。
アントロワ代表 平川 哲行(ヒラカワ テツユキ)と申します!
こんにちは!アントロワ代表の平川と申します。足立区千住でファッション製品を専門にインターネットオークションの出品代行と買取を行っております。私は2013年の8月に足立区の創業支援施設に入居し、創業をいたしました。今年2016年8月で4年目に突入しております。
タイトルにも書いてありますが、私はネット通販の業務経験が無い中、運営を開始しました。これから独立・創業をお考えの皆様がいらっしゃっているということですので、苦労したことや嬉しかったことなど、3年間のリアルな経験をお話させていただきたいと思います。
今回、お話しをさせていただくに当たり、ホームページのSEO対策などの為、弊社のホームページ上にあるブログにてお話しする内容をまとめさせていただきました。セミナーの後、ブログを少し修正して、この内容を通して集客を図ることを考えています。僕の勝手ながらセミナーに使用し、後ほど集客に利用するという一石二鳥の方法を取らせていただきます。
会社概要とオークション代行の特徴
画像:弊社ホームページ(バナーデザイン:インクデザイン合同会社)
会社概要
会社名 | アントロワ |
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代表 | 平川 哲行 プロフィール詳細はこちら |
設立 | 2013年8月10日 |
所在地 | 〒120⁻0037 東京都足立区千住河原町21-3 アクアロード2F 202号 |
従業員数 |
パート2名、契約スタッフ2名(業務委託)
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事業内容 | ファッション製品のヤフオク出品代行 ファッション製品の宅配買取 アパレル販売員の育成、教育サービス |
早速ですが、弊社の事業内容を説明させていただきます。まず、皆さんにお伺いさせていただきたいのですが、オークションに出品したことがあるという人はどのくらいいますか?では、オークション代行というサービスをご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?ありがとうございます。ちなみに利用されたことはございますでしょうか?
ネットショップを始めようとされる方が、どの程度このサービスを知っているのかを知ることができて良かったです。
弊社では洋服やバッグをヤフーオークションに代行出品しています。買取も行っていますが、メインはオークションの代行出品です。オークション代行のサービスの特徴は一般的なブランド買取店の査定に比べて、お客様の受取金額が大きいことです。街の買取店に持ち込まれた際の査定価格に比べて、2倍から10倍以上になることがほとんどです。
ちなみにこちらが弊社のヤフオクストアです。これが弊社のネットショップになります。いくつか入札が入っている状況ですね。ここから価格が変わるといいんですね。このまま落札されることもあれば、何倍にもなることがあります。
オークション代行の特徴
1.無料で利用開始、不要品をお金に変えます。
落札された商品のみ手数料が発生するので、売れなければお客様に掛かる費用はございません。さらに10点以上のご委託で送料無料とさせていただいています。
2.簡単にご利用いただけます。
商品をダンボールに詰めて弊社に送るだけ!あとは全ての販売業務を弊社で行います。
3.一般的な買取査定よりも高い受取額が期待できます。
落札価格に対して手数料を差し引かせていただきますので、受取額にご納得いただける場合がほとんどです。手数料は出品に掛かる作業費用という認識です、一般的な買取査定よりも明らかに高い価格を実現しています。
※他社に比べて商品ページに強いこだわりがあります。 ファッション業界の方など、洋服好きな方からのご利用が目立っています。
お客様は弊社ホームページを通してお申込みになられます。申込みいただくと、お客様のご自宅に必要書類が届きます。届いた後、お客様は書類とお洋服を一緒に弊社まで発送いただきます。そして、弊社で出品処理から落札後の対応まで全て代行するといったサービスです。ヤフオクで売れた場合のみ手数料が発生しますので、お客様に料金を請求することはありません。基本的に全て無料でご利用いただけるサービスです。
幅広いお客様にご利用をいただいています。特にファッションが好きでブランドに詳しいお客様が多いようです。ファッション業界で働いている方、スタイリストの方のご利用も目立っています。最近はリサイクルショップ、アパレル系のOEM法人様からの委託も増えてきています。
現在、私とパートスタッフ2名、契約在宅スタッフ2名で運営しています。そのほか、起業してから出会った多くの方にご協力をいただき、現在も運営を継続することができています。
オークション代行の運営面のメリット
次にオークション代行の運営面でのメリットをお話しさせていただきたいと思います。オークション代行は委託販売になるので仕入れ費用がいりません。売れる洋服だけ販売するので、在庫を抱える必要がありませんし、必要以上に広い倉庫もいりません。
インターネット販売では販売価格の設定に悩むこともありますが、ネットオークションは低く設定すると競い合って高く売れることも多くありますので、安売りにならないケースを多く、価格設定にそれほど悩む必要はありません。
特に私は多くの洋服に携わったファッションの知識を活かすことができるので、多くの他の出品者様に比べて魅力的な商品ページを作ることができます。
起業理由は「アパレル販売員の環境を改善したい!」
私は学生の頃から、自分で洋服屋を経営したいという夢がありました。大学を卒業してすぐに、就職の為、実家のある仙台から上京して来ました。それから約11年、アパレル業界でさまざまなことを経験しました。そのほとんどが販売員としての経験です。
24歳の頃、私はゴルフウエアの販売員でした。店頭で販売をするために制服を購入する必要がありました。新人の私にゴルフをする余裕はありませんので、自宅は必要のないゴルフウエアでいっぱいになっていきました。その後、いくつかのアパレル企業で販売員として働きましたが、自宅が洋服であふれている状況が変わることはありませんでした。
いらなくなった洋服をお金にできないだろうかと考え、リサイクルショップに持ち込んだり、フリーマーケットに出店するなど、多くの方法を試しました。中でも、一番高く売れたのがネットオークション(ヤフオク)でした。
私が働いてきた会社では生活が楽ではない販売員の方が多く、退職していく人も多かったように感じます。少しでもアパレル販売員の方の生活を楽にしたいと思い、アパレル販売員のいらなくなった洋服を販売できないだろうかと考えました。
私はスポーツウエア、レディースアパレル、メンズセレクトショップ、某ラグジュアリーブランドなどでの経験と知識があります。そこで忙しいアパレル販売員の代わりに自分がネットオークションに出品しようと考え、このサービスを始めました。
代表 平川 哲行(ヒラカワ テツユキ)の創業までの経緯 はこちら
2013年8月10日 アントロワの運営をスタート
足立区の創業支援施設に入居
写真:足立区創業支援施設「はばたき」外観
弊社の特徴を簡単ではございますが、一通り説明させていただきました。次に創業当時からの3年間をお話しさせていただきたいと思います。
3年半前に会社を退職し、3ヶ月ほど起業する準備をしていたところ、足立区の創業支援施設という魅力的な存在を知りました。おかげさまで無事に入居審査を通過し、入居することができました。創業支援施設は家賃が抑えられていることはもちろん、インキュベーションマネージャーとの月1回の相談など制度がとても充実しています。
創業資金は30数万円のみ
創業に掛かった費用は、デスクとパソコンとプリンター、創業支援施設の入居費用、ホームページ作成費用、合わせて30数万円のみでした。足立区の創業支援であるホームページ作成の2分の1(上限7万円)の助成金などを活用し費用を節約することができました。とにかく失敗した時のリスクを抑えて小さく始めようと思っていました。
ネットショップの運営経験0でスタート
画像:株式会社Soichiro ホームページ
創業したものの、右も左も分からないような状態でスタートしていました。ホームページの作り方はもちろん、パソコンのスペックすら違いも全く知りませんでした。幸いに創業施設には中小企業診断士の先生と相談ができますので、すぐに相談させていただき、ホームページ作成を行っている会社を紹介していただきました。
足立区に関係する中小企業診断士の先生は皆様、熱い志を持たれた方達です。創業時から現在に至るまで、何度助けられてたのが数えたらキリがありません。
そして紹介をいただいた、その会社は株式会社soichiroという会社でして、社長の扇塚さんという方はホームページ作成とWEBコンサルティングを行っています。ホームページを作るというだけではなく、営業の成果にこだわるという点がsoichioの強みです。弊社も創業当時からホームページの作成はもちろん、ホームページを通して、お客様からの申込みを増やすためにはどうしたらいいのか?いうことを、これまで相談させていただいています。
ホームページを作っていただき、公開したところ、嬉しいことに1週間ほどで最初の申込みがありました。当初、本当に利用していただけるお客様がいるのか、不安でしたので、申込みがあった時は本当に嬉しかったです。
インターネットのことをよく知らないで創業しましたので、営業もスタートすることができたのも協力していただけた方々のお陰だと思っています。
2013年8月~2015年7月頃 過酷だが充実した毎日
写真:2013年8月 足立区創業支援施設「はばたき」1号室
運営をスタートさせて、毎月10件ほどの申し込みがありまして、すぐにお客様対応に追われるようになっていったのですが、なかなか生活ができるほどの利益は出ませんでした。しかもパソコンの扱いすらまともにできなかったので、一つ一つの作業にすごく時間がかかってしまっていました。さらに洋服をオークションに出品するのですが、1点1点を写真を撮って、商品ページのコメントを作ってと、非常に時間が掛かるんです。いくら働いても思うような売上になりませんでした。
生活していかなくてはいけませんので、金・土・日の週3日、販売の仕事もしていました。残りの週4日はアントロワの運営に当てていました。販売の仕事をしながらもアントロワを利用してくれるお客様からの問い合わせや、ヤフオクの出品作業もしなくてはいけないので、本当に時間が足りませんでした。販売員として勤務していた日は、朝6時に起きて7時から9時まで事務所で働いて、10時から21時まで派遣の仕事をして、22時から24時まで事務所で働いて、1時頃に自宅に着くという生活をしていました。
当時はホームページの検索順位を上げるためにブログを毎日作っていたのですが、とにかく時間が足りないので、販売の仕事の休憩時間だったり、電車に乗っている時もスマートフォンでブログ作りをしていました。
このような時間に追われる生活をしていたのですが、1年ほど経った時に、奥さんが妊娠しまして、さらに時間に追われることになりました。僕は完璧主義のようでして、妊娠している奥さんにどうしても栄養のある食事をさせたくて、販売で働いた日はだいたい1時に帰ってきて、それからクックパッドを見ながら朝食と奥さんのお弁当を作って2時から3時に寝て、6時に起きるという生活をしていました。
とても時間が足りない生活だったのですが、不思議なことに辛いという気持ちにはならなかったです。それはとにかく毎日、目の前のことで必死だったからだと思います。それに、自分で考えて提供したサービスをお客様に利用していただけるというのは、本当に嬉しいことでして、やりがいがあります。
本当は寝たくないけど、仕方なく寝ていたという感じだったと思います。おかげさまに1年半後になりますが、しっかりと利益が出るところまで成長しました。ホームページもSEO対策の効果がありまして、現在では年間80万人ほどの方に見ていただけるまでになりました。
アントロワ一本で働く生活になりますが、時間に追われるというのは、さほど変わらなかったと思います。当時は一人で運営していましたので、どうしても自分でヤフオクの出品作業まで全てやらなくてはいけなかったです。
今も変わらないポリシー「どのような状況でも顧客第一を貫く」
ただ、アパレル販売員の経験してきましたので、接客について手を抜くというこは絶対にできなかったです。お客様から対応についてのクレームというのは、これまでも現在も一件もありません。ヤフオクストアというネットショップを運営しているわけですが、先日、返品率というのも確認したところ0.07%でした。この話をさせていただくと嘘だろ、というような顔をされている方が多いのですが、本当です。
古着を扱っていますので、商品クレームというのは200点販売して、1.2件はいただくのですが、そういった時も誠意を持って早く対応することを心掛けています。例えばですね、商品クレームがメールで届いたら、30分以内にお客様へ電話をして謝罪をしています。ある程度、クレームのパターンが決まっていまして、メールを見たらすぐに対応できます。早い時で3分です。電話を出て謝罪しますと、多くの方の怒りは収まっています。メールのやりとりはそれからですね。最終的に非常に良い評価をしてくださいます。
対応がお客様に素晴らしいと思っていただけば、いわゆるレビューの評価も悪くならないと思っています。こちらのヤフオクストアの評価を見ていただければ、お客様からどのようなコメントをいただいているのか確認していただけます。ちなみに弊社では評価を下さるお客様は全体の1/3ですので、実質8000人からの評価となっています。
余談なのですが、ある会社の経営者様にこういった接客方法が目に留まったようでして、その会社の取引先に従業員3000人も抱える中国の会社があるのですが、弊社の接客対応の技術を中国に卸さないかという話が来ております。
時間の足りない状況が続いていましたので、働いてくれるスタッフを探そうと思いました。そこで採用活動を始めることになります。
2015年8月~現在 運営が軌道に乗り始める
スタッフの雇用 ママさんが大活躍!
弊社では現在、パートスタッフ2名、在宅ワークスタッフ2名が働いています。少しずつ増えては来ていますが、ここまでも簡単に増えてきたというわけではありません。
創業から2年経過した頃に、初めてスタッフを雇用することを考え始めました。
採用活動を始めたものの、資金がそれほどありませんので、いきなりフルタイムで社員を雇うもできません。それに優秀な人が応募してくれるほど、弊社に魅力的な制度があるいうわけでもありません。僕一人しかいない会社で働こうと思ってくれる人を探すのはやはり簡単ではありませんでした。
そこでまず、以前同じ会社で働いていた後輩に協力してもらい、実際にスタッフとして働いてもらって、スタッフの基本的な働き方を一緒に考えていきました。だいたい、これでスタッフを入れて運営が問題なく進むだろうという段階にしてから、実際に新しいスタッフに来てもらうことにしました。
こちらの後輩は創業時から本当にいろいろと助けていただきました。彼との時間があったからこそ、今の社内ルールがあるのです。
ですが、いざ採用活動をしてみるとやはり”この人と一緒に働きたい”と思うような人は応募してくれませんでした。どうしたら、弊社で働きたいと思ってくれるんだろうと考えていました。
そこで私事ですが、昨年7月に娘が誕生しまして、今は1歳になるんですが、私も毎日保育園の送りをしています。週の半分はお風呂も入れています。けっこう育児は大変だと思います。お子さんのいる家庭のことを考えた時に、幼稚園のお子様がいる主婦の場合ですと、働きたいけど働けないママさんが多いということを知りました。そこで1週間単位でシフトを自由に変更して働けるようにして、お子さんの病気など家庭の事情による急な欠勤は一切おとがめなしとすることにしました。
タイミングよく足立区内の起業仲間の方に主婦の方をパートで紹介していただき、そのルールで働いてくれることになりました。彼女は体調の優れない中、1時間という短い時間でも出社しようと思う強い責任感、人柄の良さ、そして足立区一の美魔女として揺るぎのない地位を確立しているスタッフです。
後日、彼女にどうして弊社で働こうと思ったか聞いたところ、保育園や幼稚園の送り迎えがあると時間的に制限があります、15時にお迎えに行かなければならなかったり、小さな子供はよく体調を崩して保育園を休むので、シフト勤務で働くことも難しいそうです。特にお子さんの事情で急に休みでもOKというところが良かったそうです。
さらにパート勤務をしてくれていたママさんスタッフ、こちらのママさんはアウトドアとサッカーが好きで超絶、頭のキレるスタッフ、話す度に私の脳にあるドアの鍵が開きます。スタッフのアイデアで、在宅ワークの勤務体制も整備しました。待機児童のお子様をお持ちの主婦の方など自宅から出て働くことができない人でも働くことができるようになりました。
そして、在宅ワークスタッフがさらに一名増えました。こちらのママさんは最初、私の間違いで迷惑を掛けてしまったのですが、それでも私の話をキレイな海のような心で受け止めていただき、今も、一緒に根気強く続けてくれています、仕事は丁寧で正確です。3名とも間違いなく、まさにデキル女性です。
さらにママさんは保育園や幼稚園、子供のサッカークラブなど多くのコミュニティに参加していたが多くて、ママさん同士で話が広まるのがとても早いです。紹介が紹介を呼びまして、現在では主婦の方が3名働いてくれることになったのです。
スタッフは主にヤフオク出品作業のデータ入力や採寸、写真撮影などをしています。出品作業の多くをスタッフが行ってくれるようになったので、私も営業活動と経営のことに以前より専念できるようになってきています。
画像:2016年8月 株式会社リフォーム産業新聞社発行「リサイクル通信」
出品状況確認システム(マイページ)の導入
スタッフも増えて、少しずつですが、運営が会社らしくなってきています。3年の間には他にも印象に残ることがいくつかありましたので、お話しさせていただきます。
弊社にはオークションの出品状況を確認できる便利なサービスもあります。今回はあるお客様の了解を得まして、ご利用されているお客様しか見れないページの中身を皆さんにお見せいたします。
お客様別に出品中の商品や落札後の受取金額まで見れることができます。商品のアクセス数も見れますので、自分が出品した時と全く同じ情報を確認することができます。
このサービスを始めることができた経緯をお話させていただきます。
当時、売上を伸ばすために競合他社のノウハウを知りたいと考えたのですが、もちろん教えてくれるわけがないんです。そこで、思い切って競合他社の社長に「この業界を盛り上げましょう」という名目でアポイントを取ろうと考えました。最初はメールできっぱり断られたのですが、引き下がらないで何度かやり取りをしているうちに会っていただけることになりました。
お会いしてからは情報交換をさせていただくという関係になりました。その後、オークション代行に関するシステム開発を専門にやっている会社を紹介していただくことになり、こちらのページを開発していただくという経緯があります。
このようなサービスを提供している会社は他に数社しかないので、とても便利だとお客様より好評をいただいています。
初めての法人契約が海外企業!
画像:台湾越境EC最大手の買對股份有限公司(MYDAY)ホームページ
画像:2016年5月 株式会社リフォーム産業新聞社発行「リサイクル通信」一面
それともう一点、弊社で最初の法人契約を結んだ会社というのが台湾企業でした。このお話をさせていただきたいと思います。私は何度も言いますが、販売員としての経験がほとんどです。営業周りをしたことがありません。契約書というものを目にしたことすらありませんでした。そんな中、突然 台湾の会社の日本人から日本語で一通のメールが届きます。「弊社MYDAYは台湾の越境ECの会社です。御社ブログを拝見して連絡させていただきました。弊社をご存知の会社は日本で平川様の会社だけです。是非、一度お話させてください。」
創業しますと、毎日何通もの営業メールが届くようになりますが、明らかにそれとは違うメールでした。台湾セブンイレブンと業務提携するほどの大手EC業者様がアントロワと契約したいと言っています。台湾から足立区の弊社まで行きますとのことでした。珍しいケースなので詳しいことは興味ある方に後ほどお話させていただきますが、簡単に言うとアントロワをアジア各国で展開したいというのです。しかも費用は負担しますとのこと。
法人契約などしたこともありませんし、しかも海外企業、費用は発生しないということでとても驚きました。どうしたらいいのか困ることもありましたが、MYDAY様の誠意のおかげで無事契約、海外に販路を持つことができました。現在は解消していますが、とても良い経験になりました。
一応、Yahoo!JAPANに確認したところ、日本のインターネット通販業者が、海外の越境EC業者と業務提携して、個別に海外で販売経路を持ったケースはこれまでにない事例だそうです。ちなみに弊社ホームページを通して、某ファッション系専門学校の講師依頼、リサイクル系の業界紙から取材依頼2件(越境EC関連、主婦活用)なども来ました。
今回、どうして弊社に台湾の会社からお声が掛かったかをお話させていただきます。私は会社員を辞めて起業する間、2週間ほど一人で台湾を旅行してしました。台北の故宮博物院に行きましたが、帰りにバスの乗り方が分からなくなってしまい、近くにいた白人の男性に声を掛けたところ、分からなくて困っているとのでした。この人は世界一周旅行中のスウェーデン人でしたが、二人でウロウロとしていると台湾人の女性に話掛けられました。
台北の中心部まで案内してくれるとのことでした。3人で話をしていると同じくバスの乗り方が分からないという大阪の建設会社の男性6名も合流し、9名で行動することになったのです。その時に案内してくれた台湾人の女性は台湾でとても有名な万年筆のバイヤーさんでして、現在も交流があります。その方に越境ECで台湾でもっとも知名度のあ会社を聞き、ブログにしたところ、MYDAYが日本進出するとのことで弊社にお声が掛かったということです。
ネットショップというのもインターネットの世界ですので、色々な可能性のある世界なんだろうと思います。今話題のピコ太郎さんほどでは全くないんですが、運営経験経験0、一人でスタートした個人事業の会社が海外の会社と提携したりできるんですね。
とは言ってもやはり、ここまで出来たのは、弊社にアドバイスをいただける方々の言葉に真剣に正面から向き合ってこれたからだと思います。創業すると初めての経験がとても多いんですが、それぞれの分野で相談できる人がいることが前に進んでいきやすいんじゃないかと思います。
補足(3年経過してやっておいて良かったこと)
販売データを蓄積する
販売データを蓄積すること、弊社では2年間で約1万点の販売データを蓄積していきました。購買客層や購買地域、配送方法など、こんなに細かい情報を蓄積して役に立つのか分からないと思いながらも、何かの役に立つのではないかと考えて、細かく蓄積し続けました。3年経った時にとても役に立ちました。例えば、購入客層の地域が分かると配送業者との運賃契約の際に商談材料となったり、配送業者の契約運賃を自社の購買客層に当て込んで、比較することもできます。ほかにも色々と役に立つはずです。もちろん個人情報の保管については法律や利用している規約に沿った対応にすることも大切です。
起業して得たもの
家族との時間を持てるようになりました
起業して得たものはたくさんあります。そして得たものは大きなものばかりです。僕は奥さんと1歳の娘の3人家族です。奥さんはあるアパレルブランドのマネージャーとしてバリバリ働いている人でして、僕よりももっと仕事に時間が縛られてしまう生活をしています。例えばですね、娘が突発的に熱を出して病院に連れていかねくてはならない、という状況になると奥さんはすぐに対応できないので、僕が病院に連れていっています。
娘が保育園を休む時も、どちらかというと僕が自宅で娘を見ています。インターネットの仕事ですので、自宅でできる仕事も多いです。販売員だった頃は売場にスタッフがいないとお店が回りませんので、家族を理由に休むことができないことも多くありました。今は自分の大切な家族と一緒にいる時間が増えていることが良かったと思います。
働く目的がより明確になってきました
僕は20歳頃から独立したいという思いでモチベーション高く働いていましたが、それでも会社員と経営者ではモチベーションが変わってきます。例えばですね、アパレル販売員だと店長の場合はお店の予算だったり、一販売員の場合は自分の売上ノルマさえ達成できていればいい、という時期もありました。
お金さえもらえて生活できればいいという時期もありました。そこには”社会的に何かに貢献する”だったり、”他の従業員を自分と同じように想う”という部分はとても弱かったと思います。今はごく小さな会社ながらも経営者として、会社全体のお金のことであったり、お客様に喜んでいただけるためにはどうすればいいのか?スタッフや関係する人達に信頼され、期待を裏切らないようにするにはどうすればいいのか?真剣に向き合うようになりました。
人との出会い、つながりができました
会社員時代の頃は正直なところ、飲み会があまり好きではありませんでした。今はアントロワを通して、それぞれの分野で本気で取り組んでいる人が自然と集まってきてくれるようになりました。会話が真剣そのものなので、自然と話が盛り上がります。相手も自分の真剣さを感じて人として信頼してくれています、自分も相手の真剣さを感じて信頼しています。そのような関係を築ける人が増えてきました。
何事も本気で取り組むようになりました
時間に追われ、仕事に本気で取り組んでいると休みも惜しいと思うようになりました。時間の大切さを知りました。時間の大切さを感じると、ダラダラとした生活をしなくなりました。遊ぶ時は本気で楽しいことをしたい!と思うようになりました。いくら、時間が足りないといっても体が資本です。体のことも真剣に考えるようになりました。
とてもポジティブになってきました
僕はネットショップの実務経験0、一人で起業しました。ほとんどのことが初めての経験でしたが、分からないことを分からないままにしていると先に進むことができないんです。なので、必死になんとかしてきました。目標を立てながら、達成できないことも多くありますが、逆に達成できたことも多くあります。
少し余談で、プライベートの話になるのですが、僕は一人で海外を旅することもあります。海外の一人旅なんて怖くないんですか?危ないんじゃないですか?と言われることもありまが、時と場所によるもので、一人で旅行すること自体は問題ないと思います。
起業も同じように難しいというイメージばかりで躊躇している方が多いのではないかと思いますが、本当にやりたいのなら早いすればするほど、成功に近づけるのではないかと思います。できないと思っていたものができるようになってくることを実感しています。”やればできる”ことは自分が思っていることよりも多いというのが実感です。
アントロワの今後の展望
ファッション業界のサンプル品を販売
画像:サンプル品販売のフロー(弊社ホームページより抜粋)
サンプル品の販売に関する用語
※OEM(Original Equipment Manufacturing)
アパレルメーカーの保有するブランドの製品を生産することを主に行います。アパレルメーカーにとって生産までのプロセスを外部委託することにより、人件費の削減やコスト削減につながります。
※ODM(Original Design Manufacturing)
アパレルメーカーの保有するブランド製品をデザイン・生産する事を行います。生産する前段階においてODM会社はアパレルメーカーにデザイン提案を行います。アパレルメーカーが確認の上、本生産の決定の可否を決めます。アパレルメーカーにとって生産までのプロセスを外部委託することにより、人件費の削減やコスト削減につながります。
※サンプル品とは
正規品・完成品を生産する前の試作品となります。通常、デザインや使用する素材を決定する段階で試作品(サンプル品)を作成します。品質表示などに「SAMPLE」と記載されていたり、ブランドタグの付いていない物、品質表示タグが付いていない物なども含まれます。
※B品とは
Bクラス品、B級品の略語です。アパレル製品においては製造段階で生じる縫製不良、汚れ、サイズ違い、パーツの不備などが含まれます。その他、製造上の理由によりB品と判別されます。
今後の展望について
現在はおかげさまで、娘の保育園の送りやお風呂入れを毎日できるほど、プライベートの時間を持つことができるようになりました。ただし、まだ余裕があるほどではありませんので、もう少し時間に余裕を持って運営できるように改善していきたいと考えています。
これまでは一般のお客様からの利用がメインでしたが、今後は法人・個人事業主様からのご利用を増やしていき、より安定した売上を目指していきたいと思います。合わせて、スタッフも数名増やす予定で考えています。
さらに弊社はファッション業界・アパレル販売員様に貢献をするという目的で創業した経緯があります。現在のサービスを継続しながら、まだ世の中にはない新しいサービスを考えています。その内容は、アパレル系OEM・ODM企業様のB品・サンプル品、アパレルメーカー様の在庫処分品を世の中に出すということを考えています。
OEM、ODM、サンプル品、B品の仕組みについては下記に説明がありますので、お読みいただきれば幸いです。
在庫処分に関してはすでにメーカーや小売店様など、複数の会社様から委託を受けています。アパレル系OEM・ODM企業様のB品・サンプル品を世の中に出すということはこれまでにない新サービスとなります。
多くのアパレルメーカー様、OEM・ODM企業様ではサンプル品・B品は自社倉庫に眠っている、ほぼ最終的に廃棄されているのが現状です。
しかしながらサンプル品というのは、一般的に流通している商品に比べて上質なアイテムが多いということはあまり知られていません。多くのサンプル品は、アパレルメーカーに提案する都合上、生地や縫製に高いコストを掛けて作成する場合が多くあります。
サンプル品の中には試作の段階でNGとなったり、市場に流通しなかったデザインや、流通してもサンプル品は色やパーツ・デザインなどに違いある場合が多くあります。
会社によっては年間、数百点から数万点という洋服を廃棄している現状があり、この洋服達を一般のお客様に安く提供し、法人様にしっかりと還元するという形です。もちろん、各法人様のブランド価値を損なうことなく展開しますので、利用される会社様の利益となります。エコ活動の観点からも廃棄に掛かる人件費、コストの削減にも繋がります。
但し、コンプライアンスの様々な問題、法律的な問題が若干懸念される部分があります。現在、いくつかのOEM法人様と話し合いを進めており、ビジネスモデルとしての実現を進めています。現在、問題点をクリア次第すぐに販売をスタートさせる予定でいます。その際はヤフオクや楽天などの他社のプラットフォームを活用せず、弊社ホームページへのアクセス数などを活かしたオリジナルショップでの展開となる予定です。
最後に・・・
今回、お話させていただいた内容をもっと詳しく知りたいという方がいらっしゃいましたらお気軽に僕まで連絡ください。同業となる方ですので何らか協力させていただけるかもしれません。何より、インターネット販売を始めるご予定の皆様ですので、ファッション製品の在庫処分にお困りの際や新たな販路をお探しの際は是非弊社をご利用ください。
ご利用は無料です。自宅のクローゼットに眠っている洋服を引っ張り出したら、ホームページから3分でお申込みいただけます。創業を検討されている皆様で資金を少しでも確保したいという方がいましたら、是非弊社を活用していただければと思います。
今回、このような場でお話をさせていただく機会をいただき、エキスパート・リンク株式会社、福島先生に改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
また、一時間ほどという長い時間、ご清聴いただき、ありがとうございました!起業をされるということはとても勇気が必要なことかと思います。起業をされる理由は何かに問題意識があったりですとか、社会的な実現であったり、人それぞれかと思います。間違いなくやりがいはあると思いますので、是非挑戦していただければと思います。以上でございます。
2016年11月12日 ファッション専門!オークション代行&ブランド買取 アントロワ 代表 平川哲行